埼玉大学・学生フォーミュラプロジェクトからの、
アルミパーツ部品支援依頼
- 【依頼者】
- *埼玉大学・学生フォーミュラプロジェクト
- Formula Project SU-spirited(FPSU)
- 【部品内容】
- ・デフバルクヘッド×1個
- ・デフマウント×2個(左右ペア)
- ・デフマウントタブtype1×2個(左右ペア)
- ・<デフマウントタブtype2×2個(左右ペア)
- ・調整ネジ×4個
- 【担当者】
- *H.M/左
- (技術担当、入社3年目)
- *中野幸助/右
- (工場長)
- 【製作期間】
- ・全製品→5日間
2019年の年明け、埼玉大学 FPSU様から、昨年に引き続き部品支援のご依頼を受けました。依頼部品は「デフマウント」「デフバルクヘッド」など、去年と同じドライブトレイン系のパーツになります。
加工担当は去年同様に、FPSUのF氏との意思疎通が取れているH.Mです。そこに工場長の中野が随時サポートに付く体制で、支援部品の依頼に取り組みます。
- 部品支援レポート-1.依頼部品(アルミパーツ)の製作準備
FPSUの新たなコンセプト車両【SU-03】では、より小型化・軽量化・剛性強化に設計された「デフマウント」と「デフバルクヘッド」。その組み立て部品には3D形状や、複雑な形状のモノもありました。
尚、メイン業務との兼ね合いでマシニングが利用できる時間も限られるので、合計11個のアルミパーツの製作期間は一週間以内を目指します。
2.依頼部品の(アルミパーツ)の製作
提供されたデータは3Dデータでした。これまでメインで使用していたソフトウェアがDXE(2次元DATA)なので、今回初めてSTEP(3次元DATA)を操作することになります。
2Dデータに比べ、3Dデータで加工するメリットは「工程数が減る」「加工イメージが沸きやすい」などありますが、一方で処理データは細かくて複雑、加えてデータの全体把握も容易ではないため、注意して加工しないと工具か干渉する恐れがあります。
今回依頼された「デフマウント、デフバルクヘッド、各種パーツ」の最大の製作ポイントは『パーツの左右を把握しておく』こと、そして『組み合わせまでを想定した加工』に気を配るところです。
具合的には、連結部のパーツは「図面通りの寸法」を基準に、組付けパーツのオスとメスで「交差±0.01~±0.02」の隙間をとるようにします。これにより設計通りの寸法で、スムーズな組み立てが行えるようになります。
ご依頼の部品、「Diffbulkhead×1個」「Diffmount_d×2個」「Diffmount tab_1× 2個」「Diffmount tab_2×2個」「調整左ネジ×2個」「調整右ネジ×2個」の完成。工期は5日間で、無事に終了しました。
3.依頼部品(アルミパーツ)の納品
納品日、打ち合わせ時と同じご担当者が、依頼部品を引き取りにきてくれました。
支援部品とは言え、製作は当然いつも通りの品質加工で納めます。
各アルミパーツの仕上がり具合を点検後、早速、組み立ててみました。箇所によっては多少、嵌め込みがきつかったですが、大きな問題はなくひと安心です。
完成品を見た感想では、「綺麗な仕上がり!」との声をかけてもらえました。やはりこの瞬間は嬉しいですね。また納品後のTwitterでも、コメントもいただきました。
昨年に引き続き精度の高い加工をありがとうございます。(@Formula_FPSUより)
FPSUさんからは大会出場に向けての活動状況もお伺いしたところ、順調に進んでいるとのことでした。今年の新車両【SU-03】は、どう進化するのか楽しみです。
4.埼玉大学・学生フォーミュラプロジェクトの紹介
– Formula Project SU-spirited –
「埼玉大学・学生フォーミュラプロジェクト(FPSU)」の発足は2015年。当時、機械工学科1年生で、「大学でものづくりを行いたい」 「車に興味がある」「学生フォーミュラに出場したい」という思いを抱いたが仲間が集まりスタートした。
2019年現在、全日本学生フォーミュラ大会の活動は3年目となり、メンバー数もかなり増えて、チーム作り/マシン作り/プロジェクト運営等、手探りながらも意欲的に活動するプロジェクトチームです。
彼らFPSUの長所は、常に活動意識を高く持ち、それを着実に実行していく行動力とポテンシャルです。この全日本学生フォーミュラ大会へ参加するにあたっては、発足当初から「総合優勝」という頂点を明確に掲げていて、実際に2017年度の初出場では、大会初年度チームの中で一番成績が良かったチームとして「ルーキー賞」を獲得。
また翌年2年目の出場でもICVクラスの登録81チーム中で総合42位の成績を収める。この初心者チーム(後発チーム)とは思えない活躍ぶりが物語っている。
17回大会、出場3回目の目標は上位チームのステージへ
今年はチームメンバーの半数以上が1年生という構成になり、新体制となったFPSU。引き継ぎ資料や講座から着々と知識を蓄えているこの後輩の姿は、上級生への良い刺激なり、メンバーの士気も高まっている。
車両設計では早稲田大学(Waseda Formura Project)との技術交流会や、千葉大学(CUFP)への見学会など、他大学から様々な設計思想を学び、新たなマシンコンセプト実現のヒントを得る活動を。過去の2年は走ることのできる車両の設計で手一杯だったが、今年は勝つための車両設計へ段階を進めることができたという。
支援企業や各スポンサーとの良好なリレーションもこなすFPSU。今年度、出場3回目となる第17回大会の目標は“、総合20位以内”。彼らの飛躍的な成長に目が離せない。
部品支援レポート(終)
◆CSR活動