2019年.千葉大学「CUFP」へ部品支援

《千葉県 アルミ加工専門》 有限会社 斉藤プレス

2019年1月

千葉大学フォーミュラプロジェクトからの、
アルミパーツ部品支援依頼

【依頼者】
*千葉大学フォーミュラプロジェクト
CHIBA UNIV.FORMULA PROJECT(CUFP)
【部品内容】
・バルクヘッド×1個
【担当者】
*斉藤健治
(代表取締役)
【製作期間】
・2日間

今回、斉藤が担当した学生フォーミュラチーム・部品支援校は、千葉県の千葉大学フォーミュラプロジェクト(CUFP)です。

弊社への問い合わせのきっかけは、弊社ホームページの「CSR活動レポート」をみて、他校への部品提供、学生フォーミュラ車両への部品製作の実績があったから。部品支援商談の時期は昨年の11月と、新規オファーとしては早いのが印象的でした。

依頼部品はエンジンと車室を隔てる隔壁「バルクヘッド」です。製作意図は軽量化と高剛性化のために昨年度までの鉄製を廃止し、アルミ製に変更したいとのこと。

他にも、車両コンセプトやチームの取り組み事例などをいろいろとお話しを伺い、共感できることも多かったので、今年度のCSR(学生活動支援)校として、お引き受けすることになりました。

加工担当は私、斉藤(会社代表)が初担当となります。技術社員が他校の継続支援で、合間スケジュールも既に埋まっていたので、自ら行いました。

- 部品支援レポート-

1.依頼部品(アルミパーツ)の製作

CUFPさんからの加工依頼時の要求は、『納期と精度』です。いただいた図面チェックすると精密に設計されていて、3Dデータもしっかりしています。とても理解しやすい図面ですね。

注意点としては「(1)リブの肉厚が薄い箇所を、事前にチェックしておくこと」、そして「(2)複雑な形状で中空部が多いリブ、加工後の変形が起こらないように、どこから加工を進めるか検討する」のようなところです。

依頼部品の加工難易度は、平均的な感じです。ただし依頼品のアルミパーツは「長時間、力が加わる」ところなので、それを念頭に加工工程を考えます。

また実務では、同じく加工後の変形が起こらないよう、スピードを落とさず加工するために、切削工具は全て大きめの刃物を使用したりしました。

ご依頼の部品、バルクヘッドの完成です。
製作は2日間で、無事に終了。

2.依頼部品(アルミパーツ)の納品・支援校訪問

6月の中旬、CUFPさんへ納品したアルミパーツの確認を兼ねて、ガレージ見学に伺いました。なお納品したアルミパーツの感想ついては、既に「CUFP・活動報告書」より、いただいております。

  製品は設計通りに製作されており、その出来栄えには感動いたしました。今年度は鉄パイプによるリアバルクヘッドを廃し、アルミバルクヘッドを導入。凝りに凝って設計した、非常に複雑な形状でしたが、完璧に図面通りの製品を製作して頂きました。

「Regular Report 2019 vol.3」より  

訪問当日は、プロジェクトリーダのKさん、パワートレイン(エンジン・駆動系)担当のOさんを中心に、車両説明や試走会報告をしていただきました。

CUFPならではの実情を伺え、学生さん立場でのモノづくりへの取り組み方や現場サイドが実感でき、会社を経営する立場としても、とても興味深く聞くことができました。

実は千葉大学様からのご依頼の時期が、ちょうど会社の繁忙期と重なっていてマシニングもフル稼働の中、埼玉大学(FPSU)以外の支援は全て断ろうと思っていました。

しかしながら、CUFPの車体の設計がとても斬新だったこと、個人的にも「関わってみたい」と気持ちが起きたことで、今回は私自身の個人的な支援として製作に至った背景があります。

ガレージ見学でCUFPとプロジェクトメンバーをさらに知ることができた結果、とても良いご支援ができたと思います。

3.千葉大学フォーミュラプロジェクトの紹介

-CHIBA UNIV.FORMULA PROJECT-

「千葉大学フォーミュラプロジェクト(CUFP)」は、千葉大学工学部が公認するサークル。発足は2004年に千葉大学自然科学・教育研究室のメンバーを中心に、「大学のカリキュラムの中では体験することのできない、企画から販売までのものづくりの本質を経験する」ことを目的に立ち上げ。翌年より、全日本学生フォーミュラ大会に参加し始める。

◆CUFP:全日本学生フォーミュラ大会の主な成績

2011年度【第9回大会】  総合8位(参加75校)
2012年度【第10回大会】 総合7位(参加76校)
2014年度【第12回大会】 総合11位(参加96校)
2016年度【第14回大会】 総合10位(参加106校)
2017年度【第15回大会】 総合11位(参加98校)

CUFPの特長は一言でいうと、少数精鋭で効率的な取り組みができるプロジェクトチームと言いえます。近年でもプロジェクトメンバーが平均10~15名程と少ない人数になりながらも、過去の経験をしっかりと次世代に引き継ぎ、十分に上位チームに食い込める、結果と成績をコンスタントに収めています。

また昨年度の16回大会では、後半競技のエデュランス(コース約20Km周回)で車両トラブルによる途中失格、これにより最終競技の得点がほとんど付かず総合順位が40位に終わったものの--

【アクセラレーション部門1位】で『加速性能賞』『ベストラップ賞』の1位獲得と、【スキッドパッド部門6位】【オートクロス部門9位】など、動的競技の3部門では表彰台クラスの高成績を納めました。

そして2019年、このCUFPが第17回全日本学生フォーミュラ大会で掲げる目標は、ずばり“総合優勝”です。

活動報告によると今期はチーム体制を一新し、無駄を省く開発ノウハウにさらに磨きをかけていく模様。まずは昨年度の結果を踏まえた施策として「アクセラレーションに強みを持つ、マシンのアップデート」、加えてウイークポイントでもある「静的審査の得点を上げるための対策」も行ってくという。

もちろん今回斉藤プレスで納めた「アルミバルクヘッド」も、CUFPレーシング車両【CF19】の大事な強化パーツの一部となっており、総合優勝の貢献に期待を込める。

部品支援レポート(終)

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